プラントベース・ダイエットは、肉や魚を避け、植物性の食品に重点を置いた食事法です。でも、植物性食品だけで、たんぱく質やカルシウムは足りるの?と心配になるかもしれません。
ホールフードである
プラントベース・ダイエットは、ホールフードに焦点を当てた食事法です。ホールフードとは、食材の加工や精製を最小限にする、あるいはまったく行わず、できる限り自然の状態に近い食品を指します。ホールフードは、ビタミン、ミネラル、食物繊維、その他の有益な化合物など、食品に含まれるすべての栄養素が失われないため、加工・精製された食品よりも基本的に栄養価が高いです。
必要十分なたんぱく質を摂取できる
たんぱく質=肉というイメージがあるかもしれませんが、植物性の食品からでも体に必要十分な量、かつ良質のたんぱく質を摂取することができます。豆類、ナッツ、種子、大豆製品、全粒穀物などが主なたんぱく質源です。また、野菜や果物にもたんぱく質が含まれています。これらの植物性の食品をバランス良くたべることで、必要な量のたんぱく質を摂取できます。
必要十分なカルシウムを摂取できる
カルシウムも、植物性の食品から必要十分な量を摂取することができます。カルシウムは、豆類、葉物野菜、ナッツ類、チアシードなどの種子類、大豆製品などに多く含まれています。特に、ほうれん草やケール、小松菜などの葉野菜はカルシウムの含有量が多く、積極的に食べたいですね。
前述のようにプラントベース・ダイエットは、単に植物由来の食品というだけでなく、「ホールフード」=「未加工な食品」でもある食品を食べるというところが、ポイントです。そして、この「ホールフード」ということが、100%植物由来であれば加工食品であってもよい、とするヴィーガン(ビーガン )で定義する食べ物との違いだと思います。
プラントベース・ダイエットでは、フライドポテトやポテトチップ、そして、最近店頭で見かけるようになった、「プラントベース・ミート」などの高度に加工された食品は、たとえ植物性食品であったとしても、できる限り食べることを控えます。
では、プラントベース・ダイエットでは、何を食べるのか、アメリカ・ワシントンDCを拠点とする“責任ある医療への医師委員会 (PCRM:Physicians Committee for Responsible Medicine)(1)が定義する”The Power Plate(パワープレート)” を使って説明します。
Fruits(果物):
オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類、りんごやナシ、メロン類、いちごやブルーベリーなどのベリー類など全ての果物です。果物は、食物繊維、βカロチンなどのファイトケミカル、ビタミンCが豊富です。ただし、加工され食物繊維が取り去られたフルーツジュースは含みません。
Legumes(豆類、タネ類):
大豆、枝豆、えんどう豆、ひよこ豆やレンズ豆などの豆類です。豆乳、豆腐、味噌やテンペ などの大豆加工品も含まれます。さらに、胡麻やチアシード、フラックスシードなどのタネ類です。食物繊維、タンパク質、鉄分、カルシウム、亜鉛、ビタミンB類が豊富です。
Vegetables(野菜):
ほうれん草、小松菜、ケール、ロメインレタス、ブロッコリーなどの緑色の葉物野菜、にんじんなどの濃い黄色やオレンジ色の野菜、サツマイモ、カボチャなどの濃い黄色やオレンジ色の野菜などです。野菜は、ビタミンC、βカロチン、リボフラビン、カルシウム、食物繊維などの栄養素が豊富です。これら含む野菜類全般です。
Whole Grains(全粒穀物):
玄米、オート麦、全粒粉を使ったパン類やパスタ、とうもろこし、そば、キヌアなどの穀物類です。精白されていない全粒穀物は食物繊維や複合炭水化物が豊富で、たんぱく質やビタミンB群、亜鉛も豊富です。白米や精白された小麦粉を使ったパン類、パスタ類はできる限り避けます。
プラントベース・ダイエットでは、色とりどりなプラントベースの食材である果物、豆・タネ類、野菜、全粒穀物をできる限り加工精製しないホールフードを使って、和食や中華、イタリアンにインディアン、タイ、ベトナム、などなど様々な料理を楽しむことができます!
(*1) Physicians Committee for Responsible Medicine(PCRM:責任ある医療への医者の委員会)は、ワシントンDCを拠点とするホールフード・プラントベース・ダイエットと予防医学を推進する非営利の研究擁護組織で、全米を中心に世界で1万2千人以上の医者と15万人以上の会員を擁する。
https://www.pcrm.org
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